勝田正吾さん(清水町・(株)勝田工務店)
早くから高断熱高気密住宅に取り組むも・・・
勝田工務店は、社長の勝田正美さんが1972年に設立しました。バブル経済に湧く頃、高断熱・高気密住宅のフランチャイズ組織に加入します。講習会などの勉強もあり、まじめに取り組んだ結果、先進的な性能を持った家を建てられるようになりました。
正吾さんも勉強のためにそのフランチャイズ組織を運営する会社に5年ほど勤め、高断熱・高気密の技術も身につけ、勝田工務店に戻ってきました。
ただ、この工法には1つだけ欠点がありました。それは価格が高いということです。加入した当初はバブル景気で良かったのですが、やがて拓銀が破たんする頃には、北海道の住宅景気も大幅に落ち込みました。そこでコストダウンへの要求が厳しくなります。
やがてフランチャイズを脱退することになりました。
時代の急速な変化に新住協へ
住宅を取りまく環境も大きく変わりました。阪神・淡路大震災を教訓に耐震性の強化が図られたり、欠陥住宅やシックハウスを防止など、目まぐるしく住宅に関係する法律が変わりました。
さらに、新しい技術もどんどん出てきます。「もっと勉強したり情報交換が必要だ」と強く感じました。市民セミナーで講演した鎌田教授の話を聞くなど、新住協の活動を知り、2010年に加入しました。
正吾さんが入ってみて驚いたのが「飲み会でも技術の話題で盛り上がる」ことでした。断熱・気密などの技術向上について「ほんとにまじめだ」と感じたそうです。こうした環境の中で、勝田工務店の家づくりはさらに進化していくのでしょう。
専門家として最良の提案を
「今のお客様はよく勉強してらっしゃいます。そこで、私はプロとしてさらに一歩進んだ提案を心がけています」と正吾さん。
たとえば目には見えにくいこだわりとして気密性を高めていくこと。また、断熱性能も次世代省エネ基準以上の仕様を提案します。さらに、素材にこだわって塗り壁や無垢材の床など、本物の自然素材の良さもお客様にアピールし、使ってもらうようにします。エコジョーズや薪ストーブなど、CO2排出量を少なくできる暖房・給湯設備もお勧めだそうです。
もちろん、実際に建てる家は、お客様の希望もあるのでさまざま。小さくてローコストなセカンドハウス、牛舎など、いろんな建物も建てています。
町中でOB客と出会った時、「やっぱり建ててもらって良かったわ」など声を掛けられるときが一番嬉しいそうです。
コンスタントにQ1
これから取り組みたいことは、新住協が取り組んでいるQ1住宅をコンスタントに提供できるようにしたいということ。インタビューした日は、ちょうど200mm断熱の住宅計画を進めようとしているところでした。次世代省エネ基準などでは壁の断熱材は120mm程度なので、その2倍近い厚さ。さらにカナダ製の高性能熱交換換気システム「ライフブレス」を組み合わせる予定です。汚染空気を排出するときに暖かい空気が外に出て行くのを防ぎます。
十勝・清水町で創業して今年で40年目。新しい家づくりへの挑戦はまだまだ続きます。
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