久慈敏之さん(帯広市・久慈建築工房(有))
意外な経歴
久慈建築工房ホームページにある久慈さんの日記は、日常生活での細かな気づきなどが軽妙な文章で表現されていて、とてもおもしろいです。なんとなく「文系」っぽいニオイがします。
「顔を見て住宅の仕事をしていると思われたらショックなんです」と久慈さん。ははぁ~なるほど。どこかシャイな方なのかもしれません。旅行が好きで、若い頃はヒッチハイクもよくやったとか。自由人ですね。
ところが、「もともとは自衛隊にいたんですよ」と言われてびっくり。確かにがっちりした体格に見えますが、なんかイメージが合わない?
「夜学で建築を学びました。それから設計事務所に入って建築の世界に物語があることを知ったのです」と語る久慈さん。
日本モダニズム建築の大家、吉村順三氏や山口文象氏の話を直接聞く貴重な機会もあったそうです。特に山口氏は、大工から建築家に転身したという異色の経歴の持ち主。憧れの対象だったようです。
人生にいい影響を与える家
久慈さんが家づくりで心がけていること、それは「お客さまの人生に良い影響を与える家にしたい」ということです。ただ建物を建てるということではなく、家に物語が感じられることが大事だそうです。ここでも「物語」という言葉が出てきました。
家を「買う」場合、物語はないかもしれません。必要な広さや間取り、立地条件が揃えば「買おう」というのですから。でも、「建てる」場合は違います。子どもをどう育てたいのか、夫婦でどう語らいを持つのか、料理はどう作るのか、庭で何をしたいのか・・・いろんな思いや願いが詰まっているのが、家にこめられた「物語」かもしれません。
プラン上で、ご飯を食べるところは最も重要だと言います。家族が集まって食べるという行為が「いちばん良い場所にしたい。包まれ感がある空間もステキだと思う」とのこと。
家づくりに取り入れたいのは、土、木、石などの天然素材。経年変化で味わいが出てきます。お客さまとよく語り合って、家づくりを進めたい。そして、家を建てた後も見守りたい。久慈さんはそんなことを考えています。
十勝への移住者向け土地分譲も好評です。最近現場公開した住宅のオーナーは、20歳前に帯広に移住してきました。田園風景の中、エゾヤマザクラの花が似合う、そんな家です。
カラマツで家づくり
ここ数年進めているのは、道産カラマツ材による家づくりです。
カラマツ材を使った規模の大きな建築を受注したとき、カラマツを扱う木材会社から紹介されたのが㈲ホームテクト佐藤の佐藤正幸さん(故人)でした。
佐藤さんは、カラマツ材での建築現場を快く見せてくれ、ノウハウも含めて隠さず教えてくれたそうです。
「カラマツ住宅を手がけることで、仕事の幅が広がった」と言います。
これからは、エネルギー問題に取り組んだ家を造りたいそうです。
たとえば太陽光発電。住宅の屋根に載せるのではなく、カーポートの屋根に載せるのはどうかと考えています。万が一の雨漏りなどを考えると、カーポートであれば被害は小さくなりますが、家の屋根はちょっとリスクがあるという見方です。今後の展開が楽しみですね。
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