神谷秀雄さん(帯広市・(株)ホーム創建)
なぜ工務店がリフォームに力を入れる?
神谷秀雄さんは、ゼネコンでビルなどの建築物の現場監督を経験したり、ハウスメーカーで営業をするなど、幅広く建築の仕事をしてきました。そうした経験が評価されてホーム創建に入社、リフォーム部門の担当者として新たな可能性を切り拓いてきました。
現在、ホーム創建ではリフォーム部門として「ホーム創建 リフォーム倶楽部」があります。十勝でリフォーム部門を持つ工務店はまだまだ少なく、その取り組みが注目されています。
リフォームと言うと、テレビ番組に出てくる「リフォームの匠」やリフォーム専門店が思い浮かびますが、もともとは工務店の仕事でした。町の工務店で家を建てたら、その家を修繕したり増築したりするのも建てた工務店の仕事。子守ならぬ「家守り」という言葉があるぐらいで、長くおつきあいするのが当たり前でした。
ホーム創建でやろうとしているリフォームは、こうした昔ながらのリフォームに加え、「寒い家を暖かくして外観もきれいに」、「平屋を総2階にして2世帯住宅にしたい」など、大がかりなリフォームも一手に引き受けてしまおうというもの。大がかりな工事だからこそ、高性能な新築住宅を多く建ててきた経験や技術力が生きるのです。
リフォームの難しさ
リフォームは新築に比べると工事期間も短く金額も安いので一見手軽そうに見えるのですが、実は工務店、お客さま双方にとって大変だそうです。
神谷さんは「リフォームってほんとは大変なんですよ」と、お客さまに冗談交じりで最初に話します。工事期間が短期間でも、お客さまが住みながらの工事が多く、工事の段取りをきちんとしないと予定通りに進みません。大がかりなリフォームも、仮住まいせずに住んだままリフォームすることも多いそうです。そうすると、「来週○○日は台所の工事ですよ」と段取りを決めておいて、その間は外食やコンビニの弁当で済ませてもらうなど、お客さまとの打ち合わせが必要です。
また、打ち合わせも効率的に行う必要があります。たとえばクロスの色柄がなかなか決まらないとき、神谷さんは新築住宅の現場見学会にお客さまを招待してリフォームする住宅のクロスの色柄を決めていただくこともあります。
リフォームする住宅は、築30年、40年の住宅などもあります。だから、工事を始めてからわかる住宅の傷みや、残された図面にない配管など、想定外の事態があります。「新築に比べると、現場で自分自身が判断を下さなければならないことが非常に多い」と神谷さんは指摘します。そこで一番気を付けていることは、お客さまの立場に立って考えること。そこに、建築の幅広い仕事をしてきた神谷さんの経験が生きてきます。
新住協ならではのリフォーム
神谷さんが力を入れているのは、新住協が平成22年度に国土交通省に提案して採択された『耐震断熱同時改修プロジェクト』です。キッチンや外壁をリフォームするように、「暖かさ」や「耐震性」もリフォームしましょう、という提案です。
新住協では、古い住宅の耐震工事と断熱改修工事を同時に行うことで、別々に工事するよりも大幅にコストダウンできる方法を考案し、マニュアル化しています。大地震が起きたとき、建物の耐震性は大丈夫なのか?電気やガスなどのライフラインが断たれたら室内の温度はちゃんと保たれるのか?そうした不安を解消できます。
このプロジェクトで工事すると、お客さまに国からの補助金が交付されます。神谷さんも2件の工事を担当しました。平成22年度分の募集は既に終了していますが、今後も新住協では「誰もがいい住宅を求められる社会づくり」を目指して古い住宅をいい住宅に変えていくための提案を行うそうです。
今後は「リフォームという枠にとらわれない仕事をしたい」という神谷さん。「建築創造は幸福創造也」というホーム創建の理念を実現するため、お客さまの良い相談相手として活躍する日も近いでしょう。
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