立野幹人さん(帯広市・(株)佐々木工務店)
叔父の会社を継いで
社名は佐々木工務店ですが、社長は立野幹人さん。どういう経緯なのかな?と思って聞いてみました。
「先代社長は私の叔父にあたる人です。学生時代の夏休みに、今の会社でアルバイトをしたこともあって、「卒業したら来ないか。ただし始めはよそで働いてこい。」と言われ、東京でハウスメーカーに就職し、社会人や仕事の基礎を学んで1年半で戻って来ました」とのこと。
先代社長が亡くなり、立野さんが2代目社長として後を継ぎました。
そんな先代社長の教えは、「住宅のプランニングは妥協をしないで徹底的に考えろ。」ということと「現場を管理するには、とにかく施工図を書け。」ということ。
住宅のプランニングは、家づくりのもっとも重要な部分。熟慮して作らないと、工事中に建て主様から「この壁少しずらせないの、ここもう少し広くならないの」と言われたり、引っ越し後に、「この部屋暗いし狭い。どうにかならなかったかな」と不満が残ります。
施工図とは、設計図面を基に、実際に施工するために必要な材質、形状、寸法等を詳細に明記した図面のことで、材料や職人さんの手配等に使います。施工図を書くことによって、行き当たりばったりの仕事をしなくて済み、現場で迷いなく良い仕事が出来ます。また創意工夫して書き上げることでコストダウンも図れますし、工程管理もしっかりできます。
「最近、公共工事も含めて施工図作成を外注に出す場合がほとんどで、現場の技術者が書くことが少なくなっています。書類が膨大になり、施工図を作成する時間がないのでしょう。それでも当社では先代の教えを守り、設計図はもちろんのこと施工図も書いています」と話します。
Q1住宅の進化形「Q1-X」
佐々木工務店では、暖房エネルギーを従来の半分に減らすQ1(キューワン)住宅を全棟標準にしています。外壁はグラスウール240㎜、天井は吹込みグラスウール400㎜、換気は第一種熱交換換気システムを採用しています。
通常の住宅と比べると断熱工事のコストアップは避けられませんが、「断熱性能が高い分、暖房器具の設置数を減らすことができ、それほどのコストアップにはなっていません。暖房費を節約できる分、家計にもやさしいし、地球にもやさしいですね」と考えています。
新住協には20年ほど前に入会。昭和63年に鎌田紀彦先生の「新在来構法」の講演会を聞いたのがきっかけです。当時気密化の手法など模索していたので、まさに「目からうろこ」だったと言います。次の住宅からさっそく「新在来構法」を実践しました。
これからは鎌田先生の指導のもと、暖房費を従来の3分の1、4分の1になるような家「Q1-X」(キューワンエックス)を、大きなコストアップせずに実現したいと考えています。Q1住宅を進化させた究極の形です。
また、十勝では冬の日差しに恵まれているため、日中は家の中が温度上昇して暑くなる=オーバーヒート現象が起こりやすいのですが、この余分な熱を蓄えて冷え込む夜に放出するムダのない家づくりをしたいと考えています。現在は、居間の出窓に設置した蓄熱暖房機の廻り(前方以外)をコンクリートで囲い、そこに余分な熱を蓄熱させています。
立野さんの夢は、超高断熱の純和風住宅を建てること。これからも次の目標に向って、創意工夫しながらじっくり取り組むようです。
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