メンバーの仕事紹介


高橋隼人さん(幕別町・(株)岡本建設)

『家づくり』をしたい

建築の専門知識を活かして家づくりの仕事がしたいとハウスメーカーに就職した高橋さん。しかし、待っていたのは営業の仕事でした。ハウスメーカーは会社の規模が大きいために営業、設計、施工と完全に分業制を敷いています。そのため、設計や施工にかかわる社員を採用した場合、別部門である営業がどんな仕事をしているのかを知って欲しいと、入社当初は営業マンとして配属される会社が多いようです。

 

しかし、高橋さんには不満でした。「営業だけ、設計だけではなく家づくりにトータルで関わりたいの」と悩み、岡本建設に転職しました。もちろん、最初から設計や現場監理を任されたわけではありません。大工の補助として建築用足場の運搬や現場掃除、気密施工の補助などからスタートしました。

 

それから十数年が経ち、今では部長として設計、現場監理を行うほか、営業もします。「営業といっても、お客様の問い合わせに応じてご提案をしているやり方なので全く苦になりません。何より、今は家づくり全体が見通せているので仕事にやりがいを感じます」と高橋さんは言います。

 

最近は、新住協十勝支部の集まりにも積極的に出かけます。基礎断熱の活用など、新在来構法での高断熱化のテクニックといった参考になる話がいろいろあるそうです。

 

南側は窓を大きくし、太陽光発電も
南側は窓を大きくし、太陽光発電も
北側は窓を極力少なくした
北側は窓を極力少なくした

家は商品ではない

家づくりの考え方はいろいろありますが、高橋さんは「家は商品ではない」と考えています。カタログやショールームで色や品番を選べば完成、ではなく、お客様と話し合いながらひとつの家をいっしょに作り上げていくプロセスを大切にしています。これは、お客さまと高橋さん双方で信頼関係がないとできないことです。

 

商品ではないもう1つの理由、それは住んでからも岡本建設とお客さまとの長いおつきあいが続くということです。高橋さんはお客さまが住み始めてから数十年先までいつ、どんな修繕が必要になり、どれくらいの費用を準備する必要があるのかなどを、わかりやすく説明したいと考えています。丁寧なアフターサービスをモットーとしているのです。

木製玄関ドアに木の羽目板など ナチュラルな玄関まわり
木製玄関ドアに木の羽目板など ナチュラルな玄関まわり

もっと高性能な住宅を

今後、取り組んでいきたいことは「ゼロエネルギーハウスやプラスエネルギーハウス」と言い切る高橋さん。これは、トータルで見て光熱費がほぼゼロ円になるか、あるいはお釣りがくるという超省エネ住宅です。

 

性能を良くするために分厚い断熱材を使ったり、節電のためにエコキュートやLED照明などのエコ機器を導入するだけでは、光熱費を大幅に減らすことはできてもゼロ円にはできません。そこで、太陽光発電を住宅に設置して「エネルギーを生んで販売する」住宅にするのです。

 

日中、太陽光発電で発電した電気は、家で消費しきれない分は自動的に電力会社に売られ、その家の「収入」になります。実は、この収入の大小は住宅の屋根の大きさによって限界がほぼ決まってしまいます。高橋さんがこれから取り組もうとしている高性能住宅では、使う光熱費が非常に安く済みますので、限られた太陽光発電の売電収入と同じくらい(ゼロエネルギーハウス)か、あるいは収入の方が多く(=プラスエネルギーハウス)なるのです。

 

この試みは既に始まっています。先日完成したお客さまの住宅では、住宅の断熱性能を現すQ値が0.69W/m2と国が推奨する次世代省エネ基準(1.6W)の2倍以上高性能です。延床面積が約68坪(225m2)という通常の2軒分に近い広さの家ですが、試算ではこの性能が効いて年間の光熱費はわずか約20万円。オール電化ですので、暖房や給湯、調理も入った金額です。これに対し、太陽光発電のシミュレーションでは、約23万円の収入があります。つまり、差し引き約3万円のお釣りが来る計算です。これは驚きですね。

 

岡本建設では、断熱の強化、省エネ機器の採用などをバランス良く設計に盛り込むことで高性能化によるコストアップを抑え、ゼロエネルギーハウスを現実的な価格で建てられるように進めていく予定です。

リビングに隣接した和室
リビングに隣接した和室

岡本建設 高橋隼人さん

高橋 隼人さん
高橋 隼人さん
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